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琉球ガラス

執筆者:

琉球ガラス
写真:垂見健吾

素朴で力強い形とあわい色彩のガラス器。またの名を沖縄ガラスという。第2次世界大戦中に軍のガラス工場で働いていた人が、戦後コーラやジュースの瓶を材料に当初は日用品として作ったという。最初はアメリカ人の間に人気が高まり、今では沖縄の伝統工芸品の一つに入ってしまった。淡水色は一升瓶やコーラ、緑色は清涼飲料水の瓶、茶色はビール瓶。観光地に行くと、製作工程が見学できる。溶かした真っ赤なガラスを、吹き竿と呼ばれる鉄パイプで吹きながら形を作っていく。すべて手作りなために、色、形、光沢が一つ一つ異なり、味わいがある。

僕が初めて琉球ガラスを東京の民芸品店で見た時、メキシコの民芸品かと一瞬まちがえてしまった。ずっしりした重さと微妙な色合いにすっかり魅了されてしまった。グラスの棚に1ダースほどあるが、一つ一つのどのコップにも味わいがある。