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闘牛

執筆者:

写真:垂見健吾

スペインの闘牛とは異なり、沖縄のそれは、牛をけしかける勢子がいて、牛同士が角突きあわせて押し合うタイプ。逃げだしたほうが負けだ。徳之島や四国の宇和島のものと、ほぼ同じ。

農村地帯の娯楽として発達してきた闘牛だが、現在さかんなのは本島の中部。時代の変化とともに下火になっていた人気も、ここにきて復活の兆しをみせ、全島闘牛大会、石川オールスター闘牛などの大会には、5000人近い観客が集まる。少しだが、観光客の姿も目につくようになってきた。

大会の前には、地元の新聞に対戦予想の記事まで出るし、闘牛評論家なる人もいる。

シーの一番、シーの二番なんていう取り組み。ゆかり大王号に前島土建号にもとポーン号。割り、腹どり、もたしこみ……。新聞で闘牛の記事を読むたびに、その独特で大胆な名称に、おおこれぞ沖縄と、感慨をあらたにすることしきり。闘牛場で生で見る対戦は、さすがにすごい迫力だ。いい年をしたオジイたちが、必死に応援するようすを見るだけでも楽しい。