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ニフェーデービル

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沖縄の言葉は、非常に大まかにいえば、沖縄島とその周辺、宮古諸島、八重山諸島の3つに分けられる。方言100%で本気になって話せば、それぞれまったく通じないのではないかと思うくらい違う。例えば、ありがとうございますという言葉をそれぞれの地域で言えば、「にふぇーでーびる」沖縄、「たんでぃがたんでぃ」宮古、「みーふぁいゆー」八重山、という具合になる。全く違う。

「にふぇーでーびる」は、「二拝でーびる」と当て字されることもあって、つまり1度拝むのではなく、2度拝むくらい感謝しているということらしい。それに対して「みーふぁいゆー」は、「三拝ゆー」つまり、3度拝むわけで、にふぇーでーびるよりも更に深いのだと、八重山の人は威張っていたが、本当かナー。じゃあ「たんでぃがたんでぃ」はどうなるのだろうか。

某大型沖縄そば屋チェーンでは、お客が入ってくると「めんそーれー!」、勘定を済ませると「にふぇーでーびるー!」と、従業員の声が店内に響くのだが、なんとなくズルっと心の中でずっこけてしまう。「にふぇーでーびる」をあんなに大声でいわなくてもいいのではないかと思うのだ。どちらかというと、市場で野菜を座って売っているおばぁが100円のビラ(ネギ)をお客さんに売った時の「にふぇーでーびる」のつぶやきの方が好ましい。そうだなー、「ありがとうございました」というより、「サンキュー・ベリー・マッチ」という響きに近いかもしれない。