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浜下はまお

執筆者:

正式な浜下りの料理
写真:垂見健吾

潮干狩の行事。宮古でこれをサニツとも言うのは、3日さんにちの意。旧暦3月3日の春の大潮の日に浜に出て遊ぶ(旧暦は太陰暦だから、月の満ち欠けや潮の満干みちひはすべてこれに従う)。実態は潮干狩であるが、単に貝を拾うだけでなく、季節の巡りを祝って潮で身を清めるという意味がある。最近は家族連れで行くことが多いけれども、本来は内地の雛祭りと同じく女性たちの行事である。前の日からを煮たり、フーチバージューシー(ヨモギ入り炊き込みご飯)のおにぎりを作ったり、いろいろ御馳走を用意する。それを知り合い同士で交換するのも習慣で、その日の午前中は村の中を風呂敷包みをもったオバァ・アンマァ・ネーネーが行きかう。
 御馳走を重箱に詰め、潮が引くのは昼すぎだから11時ごろには浜に着くように家を出る。浜に着いたら、3回続けて波を飛びこえたり、潮水を少しだけ浴びたりして身を清め(ミナンガハナという)、それからシャコ貝やタコ、ウニ、サザエなどを採る。逃げおくれたイラブチャー(ブダイ)などの魚が採れることもある。午後3時か4時までは遊べるが、あまり欲張って沖の方に行っていると、満ちてくる潮と競争で戻らなければならない。
 宮古島の北にある八重干瀬やえびしは広大な干潟だから、ここのサニツはずいぶん大袈裟になって、サバニや漁船で行く。