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エイサー

執筆者:

写真:垂見健吾

エイサー(七月エイサー)は、とくに沖縄本島中部〜北部で盛んな旧盆の行事だ。旧暦7月13日にご先祖様の霊をお迎えし、15日の夜にまたあの世にお帰りいただく。その「御精霊御送りウソーローウークイ」が終わった深夜、青年会の男女が道を練り歩き、地域の家々を巡ってご先祖様の霊を送って行く。大太鼓の太い響きに、パーランクーと呼ばれる小さな太鼓やシメ太鼓の音が軽やかに重なる。地謡(ジーウテー)(唄と三線サンシン)の面々が太鼓のリズムを受けとめながら歌い、掛け声や指笛もにぎやかに、手踊りの一団も加わってエイサー隊が進む。

仲順流チュンジュンナガりや七流り/黄金ぬはやしん七はやし」とうたわれる『仲順流り』は代表的なエイサー唄のひとつで、ネーネーズのアルバム『IKAWU』でも聴ける。りんけんバンドの『七月エイサー待ちかんてぃ』などもエイサーのリズムを土台にして作られた曲だ。

親族との別れは寂しいので、太鼓と歌三線のエイサーで陽気に騒ぎながらご先祖様をお送りするのだという説がある。だが、今は15日だけでなく13日から3日間エイサーをやっている。すると、ご先祖様をお迎えした途端にもう大きな音を出してお送りしているわけで、これじゃ失礼になるんじゃないかとちょっと心配になる。
 また、旧盆明けには「沖縄全島エイサーまつり」が開かれ、多くの観光客がエイサー見物に訪れる。こうしたショーのほか、今では全国の小学校で運動会に子どもエイサーが演じられているし、沖縄関連イベントなどにもエイサーがしばしば登場する。さらに、自由な音楽と振り付けの創作エイサーも盛んだ。このようにエイサーのお盆離れが進んだが、やはり「エイサーの本番はお盆最終日の夜」という意識はまだなくなっていない。

ちなみに、エイサーでは男が太鼓で女は手踊りだけというケースが多かった。だが、最近は大太鼓をたたく元気のいい女子もいる。伝統行事もジェンダーフリーの時代である。