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尖閣諸島せんかくしょとう

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出典:国土地理院「電子国土Web」

尖閣諸島は、八重山の北北西に位置する魚釣島、北小島、久場くば島、大正島などからなる島々の呼称である。島の総面積は6・3平方キロメートルで、富士の山中湖を少し小さくしたくらいの大きさである。そのうち一番大きな島が魚釣島で、昔は鰹節工場などもあり日本人が住んでいたこともあるが、平地がほとんど無く人の生活には適さない島であることから現在は無人島となっている。

ところが1968年、この島近海の海底の大陸棚には石油資源が埋蔵されているという可能性が指摘されてからは、なにやら急に色々な方々がこの島に関心を示す様になった。

台湾(政府)は71年4月に領有権を主張し、中国(中華人民共和国政府)も同年12月以降は公式に自国の領土であると主張している。そして、日本政府も72年5月の沖縄の日本復帰等の変遷をふまえながら、沖縄県石垣市に属する日本固有の領土と主張している。という訳で、いわゆる「国境の島」として火種を抱えたこの島には、日の丸を建てに上陸した日本人やそれに抗議する台湾や中国の人々が時折訪れ、日本の海上保安庁とのトラブルが散発的に発生している。

「固有の領土」というものは色々な見方が出来るものだ。例えば、琉球王国時代に中国から迎えた冊封使の船団は、福州を出港しこの尖閣諸島近海を通り久米島に立ち寄り後に那覇港に着くというのがルートであったようだ。その日誌には「久米島が見えると琉球領に入った」という趣旨の記述が残っていると言う。さて、その記述をどの様に解釈するかである。一方では、久米島からは琉球領という解釈であればそこまでは中国領であるという解釈。もう一方では、尖閣諸島の記述は載ってないのであるから、そこは無主地であったということであり、その後日本人が住んだ経緯があるのだから日本領という解釈である。もっとも、中国からすれば「琉球」を日本固有の領土とは考えていないという見方もある。ただただ日本も台湾も中国も仲良くやって欲しいと願うばかりだ。