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球陽きゅうよう

執筆者:

提供:編集室ヴァリエ

琉球王国時代に編集された歴史書。漢文で書かれているが、現在では角川書店刊行の読みくだし編1冊である程度は容易に読むことができる。18世紀中期に完成したが、それ以後の記事は資料・報告をもとに随時書き継がれていった。書き継ぐことを「仕次(しつぎ)」という。泡盛を古酒として寝かせる時、カメから酒を少し酌み出し、その酒の次に古い酒を入れて酌み出した分を補うことを仕次と言うが、この言葉はもともと歴史書や系図などを書き継ぐことから来ているのである。

『球陽』には歴史・事件などのカタイ話も多いが、琉球各地から集められた面白い話もたくさん出てくる。例えば、沖縄本島の中部に龍が舞い降りてきて、大木を引きちぎって天に登った事件、首里しゅりで天からお金が降ってきた話などなど、当時の人々の価値観や想像力のダイナミズムを教えてくれる。

提供:編集室ヴァリエ