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黒糖

執筆者:

写真:垂見健吾

どこの家庭でも、お茶うけといえば、黒糖。これとサンピン茶(ジャスミン茶)が、沖縄のティータイムの定番だ。白砂糖のかたまりを食べるなんて考えられないけれど、沖縄のサトウキビから作る黒糖は、そのまま食べる。素朴な甘みに、飾らないうまみがあり、ついついつまんでしまうのだ。

黒糖の栄養価はすごい。世界一の長寿地1である沖縄を陰で支えるのは、じつはこの黒糖だといえる。

白砂糖と比べると、カルシウムは240倍、鉄分が47倍、カリウムは1100倍も含まれている。いってみれば、白砂糖が白米なら、黒糖は玄米というところだ。

子供のころ、お菓子などなかった時代に、黒糖は唯一の甘味で、それはおいしかったと懐かしむお年寄りは多い。もちろん彼らは今でも黒糖が大好きで、そしてとんでもなく元気者だ。

【編集部注】

  1. その後、2000年の国勢調査で沖縄県の男性の平均寿命が1位から26位に転落。女性も2010年に1位の座を明け渡した。